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2021.05.17

多汗症に対する手術療法

 

交感神経の亢進状態により、手、わき、足の裏から過剰な汗がでる疾患が多汗症です。

 

手術療法は、わきから細い胸腔鏡を用いて交感神経を遮断する方法で、交感神経の亢進状態が緩和されると、手の汗はサラサラになります。この多汗症手術の最大のデメリットが代償性発汗です。私は長年の経験から、代償性発汗をできるだけ少なくするために低位の交感神経遮断術を行っています。しかし代償性発汗は程度の差こそあれ、100%の患者様に出現しますので、後悔しないためには一度に両側ではなく、片側ずつ慎重に手術を行う方法があります。

 

片側手術では代償性発汗の量は両側手術の半分になりますから、いきなりブラウスやズボンがびっしょり濡れるような過剰な代償性発汗ではありません。

 

まずは利き手側の手術を行い、半分の量の代償性発汗が自分にとってどの程度なのかを確認し、納得してから、また反対側の手術を受けるかどうかをゆっくりと判断すれば、過剰な代償性発汗で後悔するリスクを避けることができます。しかも利き手がサラサラになれば字を書くときに紙がぬれない、人と堂々と握手ができるようになる、そういう状況でドキドキしなくなると。手の汗は精神性の発汗ですので、反対側の手の汗も減って気にならなくなった、と結果として片側だけの手術で十分に満足されて反対側の手術はしないまま経過をみている患者様も大勢いらっしゃいます。

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