スタッフブログ

2019.06.29

おだクリニック日帰り手術外科の紹介

 当院は九州,福岡県福岡市にあります.玄界灘を臨む福岡市は新鮮な海の幸と辛子明太子やとんこつラーメンなど豊富な食材と美味しい料理が揃う地です.近年は東アジアの玄関口として国際交流も盛んになりました.当院は日帰り手術に専門特化した6床の有床診療所として2007年10月に福岡市に開院しました.日帰り手術は1970年代に米国で始まり,日本では1990年代後半から少しずつ普及しています.当院が開業した時期には日帰り手術センターを併設する病院や日帰り手術専門診療所が全国に10か所ほどありました.日帰り手術は外来で行う簡単な手術ではなく,鼠径ヘルニア,胆石症,下肢静脈瘤など,数日間から1週間ほど入院を要していた比較的大きな外科手術を日帰りで行うことを意味します.日帰り手術による患者のメリットは,入院の煩わしさがない,入院中の仕事や家族の世話などを心配しないで済む,入院費用がない分だけ支払いが少ないなど,数え上げたら限がありません.病院のメリットは,入院ベッドを有効に活用でき,患者が口コミなどで多く集まることです.さらに保険者のメリットは,入院医療費の削減効果です.「三方一両損」という大岡越前守の名裁きがありますが,日帰り手術は患者,病院,保険者にメリットを生む「三方一両得」です.価値(value)=質(quality)÷価格(cost)という経済理論に基づき,当院では入院手術と同等の高い質の医療を入院費用のない低価格で提供し日帰り手術の価値を高めることを目標にしています.
 2007年10月から2019年5月までに施行した日帰り手術は20781例で,内訳は下肢静脈瘤6677例,手掌多汗症5161例,痔疾患5130例,鼠径ヘルニア3398例,胆嚢結石症309例,その他106例でした.木曜日を除く平日と毎週土・隔週日曜日も診療し,原則として午前中に6例の日帰り手術を行っています.夕方までに退院し,遠方からの来院患者は近くのホテルに滞在します.下肢静脈瘤の血管内レーザー焼灼術を九州で最も早くから導入し,2011年にレーザー手術が保険収載され症例数が急増しました.痔疾患は特に若い女性に他人に知られず手術が受けられると好評です.手掌多汗症は胸腔鏡下交感神経遮断術を専門に行う医療機関が少ないため全国から患者が来院します.鼠径ヘルニアのKugel手術は本邦で最も多い症例数を誇ります.胆嚢結石症の日帰り手術は炎症が軽度で健康な症例に限定しています.
 2017年4月に福岡で多汗症を主テーマとする第12回国際交感神経外科シンポジウム(The 12th International Symposium on Sympathetic Surgery)を開催しました.学会活動や論文執筆などにも力を注ぎ,日進月歩の外科治療を幅広く修得し,日帰り手術の普及と発展に努力する所存です.

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