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2017.10.22

下肢静脈瘤のストリッピング手術の特徴やメリット・デメリットは?

下肢静脈瘤の治療法として、一番古くから行われていたストリッピング手術。硬化療法や血管内治療、弁形成術などの根治的治療の一種です。現在では高周波やレーザーなどの血管内治療が主流になりつつありますが、今回はストリッピング手術について説明していきます。

ストリッピング手術とは?

ストリッピングとは英語で「剥ぐ」「剥ぎ取る」「引っこ抜く」などの意味があります。1900年台前半から100年以上行われたきた治療法で、弁が壊れて逆流している伏在静脈を、手術で抜き去ることで下肢静脈瘤を改善させる手術です。
鼠径部と呼ばれる足のつけ根、膝部分の2ヶ所をメスで2cmほど切開し、伏在静脈に手術用のワイヤーを挿入して血管と糸で結び、ワイヤーごと静脈を抜き取ります。

静脈を抜き取ることによって血液の流れが良くなり、下肢静脈瘤が改善していくという仕組みです。切開するので全身麻酔や下半身麻酔のため、数日間の入院が必要です。
しかし最近は局所麻酔や下肢静脈瘤の状態によって、短期入院や日帰り可能な病院も増えています。


高周波やレーザーなどの血管内治療が普及し、ストリッピング手術を選択する患者が減少しているのが現状のようです。
ですが、必ずしも高周波やレーザーなどの血管内治療がすべての下肢静脈瘤に良いという訳ではありません。

ストリッピング手術を選択するメリット

100年続く治療法として、安定した手術成績があるのが一番のメリットです。患部を取り除くので再発率が低いのも大きな特徴です。ストリッピング手術は費用が安く、術後の通院も少ないので経済的な面から考えてもメリットになります。

また、皮下脂肪が少ない細身の男性や血管が大きすぎる人、太い血管が酷く蛇行している人など、高周波やレーザーなどの血管内治療ができない患者にはストリッピング手術が有効です。静脈の中に血栓ができ、炎症で熱や痛みを起こす「血栓性静脈炎」の患者にも有効とされています。

デメリット

高周波やレーザーなどの血管内治療と比較して、ストリッピング手術は体への負担が大きくなります。手術で切開するため手術痕が残り、その傷も比較的大きいものとなります。術後の痛みや出血、しびれなど神経障害の合併症を生じる場合があります。

手術時間も長く、入院を必要とするため早く日常や仕事復帰したい患者には厳しいかもしれません。

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