中高年の女性に発症しやすいと言われている「静脈うっ滞性皮膚炎」。
進行すると治療が難しくなる特徴があります。
今回は静脈うっ滞性皮膚炎について、説明していきます。
静脈うっ滞性皮膚炎とは?
静脈瘤などの血流障害によって膝下3分の1に生じる皮膚炎です。
発疹に痒みが伴い、広範囲で重症化するケースが多く、炎症後に色素沈着を起こしやすいのが特徴です。
治っては発症を繰り返す慢性の皮膚炎なので、特に女性にとって煩わしいものになります。
皮膚炎の治療はステロイド外用剤の塗布、抗アレルギー剤の内服が処方されます。静脈瘤の治療には高周波やレーザーなどの血管内手術、硬化剤を注射して患部の静脈を閉塞させる硬化療法、患部の静脈を抜き取る静脈抜去術などが挙げられます。
どんな症状が出るのか?
初期段階では膝下の浮腫みが現れます。ですが翌日には治っているため、症状に気付かないことが多いと言われています。
浮腫みを繰り返していくと、次第に患部の皮膚に褐色の色素沈着が見えるようになります。
症状が進むと強い痒みを伴うため、搔き壊しによってかさぶたになり、紅斑が広がっていきます。
掻くことによって点状の出血や湿疹が繰り返され、症状が更に進行すると皮膚に穴が空く皮膚潰瘍を併発します。
気付いたときには症状が進行していた、というケースも多く聞かれるので、足の浮腫みや疲労を頻繁に感じたら病院を受診しましょう。
早めの受診が静脈うっ滞性皮膚炎を治す鍵となります。
原因は?
静脈の弁が生まれつき弱い遺伝的な体質の人や、長時間の立ち仕事、加齢、肥満、出産で静脈瘤ができ、血液がうっ滞することが原因とされています。
血液がうっ滞することで、血管から皮膚への必要な栄養や酸素が不足し、皮膚炎を引き起こすと言われています。
加齢や肥満、出産などの誘因が、中高年の女性に多い皮膚炎だと言われる所以です。
予防するには
血行不良を改善することが一番の予防につながります。足の疲れを感じたり、長時間立っている場合は適度に休憩を取ることが必要です。
可能であれば、足を心臓より高くして横になると、血液が心臓に戻りやすくなります。血液の循環を良くするマッサージやストレッチ、入浴も効果的です。
長時間の立ち仕事をする方には予防法として弾性ストッキングをお勧めします。弾性ストッキングは適度に圧力のある、医療用のストッキングです。弾性ストッキングを日常的に着用することで、足の浮腫みや冷えを予防します。