みなさん、こんにちは。
今回は下肢静脈瘤と罹患する年齢の関係についてみていきたいと思います。
もともと下肢静脈瘤は性別でいうと女性がかかりやすい傾向がある疾患ですが、年齢でみるとどのような傾向があるのでしょうか?
女性がかかりやすい理由
下肢静脈瘤は女性がかかりやすいと言いましたが、そもそもそれはなぜでしょうか?
一般的には以下のような理由が考えられています。
・妊娠、出産の影響
妊娠によって分泌量が増える「プロゲステロン」という物質の影響で血管が硬くなり、同時に弁の働きが鈍くなります。また、子宮が大きくなることで周辺の血管が圧迫され、下半身の静脈が滞って血液が心臓に戻りにくくなります。
・ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスが崩れることで、血管が浮き出る原因になることがあります。女性ホルモンには血管を拡張したり、血液を固める働きがありますので、それが不調になると下肢静脈瘤の原因になりえます。
・男性に比べ筋力が弱く筋ポンプ作用が働きにくい
筋ポンプ作用とは、筋肉の収縮により筋肉周辺の静脈が圧迫され、決められた方向(心臓の方向)へ静脈を押し流す作用のことです。
年齢との関係
歳を重ねて高齢になればなるほど下肢静脈瘤にかかりやすくなるのでしょうか?
老化すると血管も衰えるため全身の血行が悪くなっていきます。それに伴って足の血管にある弁の働きも悪くなるため下肢静脈瘤になりやすくなると言えます。
統計データでは40歳以上の女性に多くみられ年齢の上昇とともに増加していきます。
15歳〜29歳・・・13%
30歳〜49歳・・・55%
50歳〜69歳・・・61%
70歳以上・・・75%
とみられていて、患者数は1000万人以上とされています。
これをみると全く珍しい病気ではなく、誰しもがかかる可能性がある疾患と言えます。
遺伝の影響もある?
余談ですが、下肢静脈瘤の発症には遺伝も影響しているという考えもあります。
似た生活習慣や体の構造などの関係かもしれませんが、親が下肢静脈瘤を発症したことがある人は比較的発症しやすいと言われています。
いずれにしても放置するとよくありませんので、ご自身の足で違和感を感じるようなところがあれば早期に相談していただけると宜しいかと思います。