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2017.02.28

下肢静脈瘤の治療に使用するレーザーと高周波(ラジオ波)について

下肢静脈瘤の治療にはいくつかの方法がありますが、当院では「レーザー手術」と高周波(ラジオ波)手術を推奨しています。
他の治療方法に比べてこの2つの治療法は、”痛みが少ない””傷があまり残らない””保険適応”という患者様にとってメリットが多い治療方法です。
では、この2つの治療はどのようなものなのかを詳しくみていきたいと思います。

レーザー手術の機器はELVeSレーザーと言います

レーザーを使用して行う手術を下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術と言います。
これは、機能しなくなった静脈弁がある静脈内にレーザー光を照射して、収縮及び閉塞させることで、静脈の逆流を止める方法です。
ELVeSレーザーは患者様に対する低侵襲治療(できるだけ患者様の体を傷つけない)ということを重視し開発されたレーザーです。

 

 

■レーザー照射による焼灼のメカニズム
1、レーザー光が直接的に静脈壁の水分に吸収されて熱化

2、レーザーエネルギーを360度2ヶ所から血管壁に照射、静脈壁を均一に焼灼

3、50℃で静脈壁のコラーゲン繊維収縮が始まり70℃〜100℃で壊死

4、静脈壁の収縮と肥厚により血管内腔が縮小し、静脈逆流を止める

このレーザーを使用するにあたって日本静脈学会、日本脈管学会、日本血管外科学会、日本インターベンショナルラジオロジー学会、日本皮膚科学会および日本形成外科学会にて構成される血管内焼灼術実施・管理委員会にて策定された「下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準」による実施施設及び実施医認定の取得をクリアしている必要があり、当院はその基準を満たした施設になっています。

高周波(ラジオ波)は医療分野で広く使われている電磁波の一種です

ラジオ波は300kHzから6MHzの高周波を使用して、100℃前後の熱を発生させることで各種治療に使用されている電磁波です。
下肢静脈瘤の手術で使用する機器は460kHzの高周波を発生させ、レーザー手術と同じように静脈壁を焼灼する方法になります。
このシステムを使用することで、「周囲組織が傷つかない」「静脈壁を均一に焼灼できる」「時間的に早く処置できる」という特徴があります。



これらのレーザー手術と高周波(ラジオ波)手術は、手術方法はほぼ同じ仕組みです。
まずは医師の診察を受けて治療方法を相談するようにしましょう。
当院でもご質問をお受けしていますのでお気軽にお問い合わせください。

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