2017.07.06更新

今回は多汗症手術後の代償性発汗についてお話しします。

多汗症とは交感神経が過剰に作用することにより、手、わき、足裏から過剰な汗がでる病気です。字を書くと紙が濡れる、他人と手をつなげないなど、精神的な苦痛は幼少時から続きます。これらの患者様に交感神経と汗腺のつながりを断ち切る交感神経遮断術という手術を行うことで、手のひらからの過剰な発汗は消失し、大変に喜んでいただけます。しかしながら、副作用と言える症状があります。それが代償性発汗です。現代の医学では代償性発汗を確実にゼロにすることはできないと言われています。
ではどういった副作用なのでしょうか?

 

背中や胸などの発汗量が増加します。

多汗症の手術に伴う代償性発汗は、背中、胸、ふとももなど体幹部の汗が増加する現象です。これは、手のひらから出なくなった汗の量が、代わりに背中や胸から出るようになるというものではありません。すなわち手汗の量と代償性発汗の量には相関関係はありません。
交感神経遮断術を行うと、フィードバック作用により脳の体温調整中枢を介して体幹部からの発汗が促進されるため、夏の暑い時や運動時などに背中や胸からこれまで以上に汗が出るようなります。代償性発汗の部位や発汗量には個人差があります。そのため女性のブラウスやズボンがびっしょり濡れてしまうような過剰な代償性発汗で手術を後悔することさえあります。

 

交感神経遮断の部位に影響する。

代償性発汗の程度は交感神経遮断の部位に左右されます。
顔や頭の発汗を止めるために高位の第2交感神経を遮断するとほぼ100%の確率で大量の汗が胸や背中から出ることになり、これまでの報告では約10%の割合で手術を後悔していました。したがって現在ではほとんどの医療機関で第2交感神経を遮断する手術は行われていません。第3交感神経遮断でも約5%の割合で手術を後悔する結果となり、当院では原則として第3交感神経を遮断する手術も行っておりません。
当院で行なっている手術は、代償性発汗をできるだけ少なくするように、手汗が止まるできるだけ低い位置、低位の第4交感神経を遮断する方法です。

 

過剰な代償性発汗を実感されているのは約2%の患者様

当院ではこれまでに4000例以上の手掌多汗症患者様に低位の第4交感神経遮断手術を日帰り手術で行っています。代償性発汗を最小限するように努め、約98%の患者様は長年悩んでいた手汗が改善され、生活の質も向上し、手術を受けて良かったと大変に満足されています。しかしながら第4交感神経遮断でも多かれ少なかれ代償性発汗は必ず出現します。残念ながら約2%の患者様は、想像していた以上に胸や背中からの汗が増えたと感じられています。

まずは代償性発汗について十分に説明を行いますので、それを踏まえて手術を行うかどうかは患者様ご自身で慎重に検討していただきたいと思います。

 

ご不明な点はご遠慮なく当院にご相談ください。

投稿者: おだクリニック日帰り手術外科

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