2017.09.30更新

大人や先天性の子供が発症する下肢静脈瘤ですが、妊婦が発症しやすいのをご存知でしょうか。統計では20%の妊婦が下肢静脈瘤を発症すると言われています。今回は妊婦の下肢静脈瘤について、説明していきます。

 

妊婦が下肢静脈瘤になりやすくなる理由は?

妊娠すると、胎児を育てる子宮を柔らかくするため体内に黄体ホルモンが分泌されます。この黄体ホルモンは血管を硬くする作用があり、静脈にある血液の逆流を防ぐ弁の働きに悪影響を及ぼします。

弁の働きが鈍くなると、足に留まっている血液が心臓まで戻りにくくなってしまうので、結果として下肢静脈瘤を発症してしまうのです。また、胎児の成長で子宮が大きくなり、静脈を圧迫して血行不良を引き起こすのも原因として挙げられます。

 

どんな症状が出るのか?

足の浮腫みや慢性的な疲れ、頻繁に足がつる、湿疹ができて強い痒みを伴う、ピリピリ痛むなどが症状として挙げられます。見た目の症状としては、皮膚が黒ずむ(色素沈着)、膝の裏や太もも・ふくらはぎの血管が盛りあがる、赤紫や青紫の血管が浮かび上がるなどです。

人によって妊娠初期から症状が現れる場合があります。足の異常で不安なときは早めにご相談ください。当院では下肢静脈瘤の治療は5,000人以上の実績がありますのでご安心ください。

 

最適な治療時期や治療方法は?

通常の下肢静脈瘤は診断を受けると治療が始まりますが、妊婦の場合は出産するまで様子を見ることが多いです。これは、妊婦の下肢静脈瘤の原因である黄体ホルモンの分泌量が出産後には減るため、下肢静脈瘤が自然に治るケースがあるからです。

下肢静脈瘤の治療は高周波やレーザー血管内手術が一般的ですが、お腹の中の胎児にリスクが伴うため、妊婦に手術を勧めることはありません。妊娠中の治療は弾性ストッキングなどの圧迫療法をメインに行い、産後の状態を見て治療方針が決められます。

 

また、下肢静脈瘤の予防や悪化防止のためには日頃からの取り組みが必要不可欠です。体に負担をかけない程度のマッサージやストレッチで血行を良くします。冷たい食べ物や飲み物を避け、体を温めることに意識を向けるようにしましょう。日常的に弾性ストッキングやレッグウォーマーを着用しても良いです。安定期に入ってからは軽いウォーキングやマタニティヨガやスイミングなどで適度な運動を行うのも効果的です。

投稿者: おだクリニック日帰り手術外科

2017.09.19更新

下肢静脈瘤は立ち仕事などの職業病、乱れた生活習慣や加齢によって引き起こされるため、大人が発症する病気と言えます。しかし、稀に子供が発症するケースがあります。今回は、子供の下肢静脈瘤(先天性静脈瘤)について説明していきます。

 

先天性静脈瘤とはどんな病気か?

子供の頃に発症する下肢静脈瘤を先天性静脈瘤といいます。クリッペル・トレノニー症候群とも呼ばれ、生まれつき静脈に形成異常がみられるのが特徴です。そのため静脈瘤を発症しやすく、1歳未満など幼い時期から症状が現れる場合もあります。
下肢静脈瘤は女性に多いとされていますが、先天性静脈瘤の発症に男女差はありません。先天性静脈瘤は下肢の外側に静脈瘤ができ、皮膚に母斑と呼ばれる痣ができていることが特徴として挙げられます。

 

どんな症状があるか?

下肢静脈瘤と同じように足のだるさや痛み、浮腫み、こむら返りを起こすようになります。皮膚のバリア低下により少しの怪我でも出血したり、痒みで皮膚炎を発症することもあります。
表面に現れるものとして、皮膚に静脈が浮き出る症状が挙げられます。青白い血管が足の外側に長く走る状態です。また、先天性静脈瘤の見た目の大きな問題として、足のバランスに差が出るようになります。静脈瘤側の足が長くなり、左右のバランスが崩れてしまうのです。両足に静脈瘤が生じた場合は同じ長さになりますが、こちらは稀といえます。

 

どのような治療方法があるか?

下肢静脈瘤との違いは血液の逆流量が圧倒的に多く、静脈が複雑な形状をしているため高周波やレーザーなど血管内治療ができません。かえって症状を悪化させるリスクが伴うからです。静脈異常に対する外科的治療もありますが、現在の段階では未だ難しい状況にあるようです。
そのため先天性静脈瘤の治療には、弾性包帯や弾性ストッキングを用いた圧迫療法がメインになります。圧迫療法とは、下肢を弾性包帯や弾性ストッキングで圧迫して静脈瘤を解消させる治療方法です。強く締め付けるのではなく、適度な力加減で圧力を加えることで、滞っている静脈の流れをスムーズにしていく効果があります。はじめは弾性包帯で調節しながら巻いていき、ある程度改善されたら弾性ストッキングに変更する、というように状況に合わせて使い分ける方法が多いです。いずれも医療用のものを使用し、下肢に合う包帯やストッキングを選ぶのが重要です。

 

お悩みのことがあればまずは当院にご相談ください。

投稿者: おだクリニック日帰り手術外科

2017.09.19更新

下肢静脈瘤の治療には、静脈瘤が起こっている場所や症状の進行具合によって4つの治療方法があります。今回はその中の一つである血管内焼灼術(レーザー治療もしくは高周波治療)を紹介したいと思います。

 

血管内焼灼術とはどんな手術方法か?

静脈瘤は静脈の逆流防止弁がゆるんで血液が逆流する病気です。従来は静脈瘤の血管を体から引き抜くストリッピング手術が行われていました。血管内焼灼術は静脈の中に極細のカテーテルを通し、レーザーもしくは高周波によって血管内の壁を焼いて、下肢静脈瘤をふさぐ手術です。血管内焼灼術は血管を引き抜かないため、体にやさしい手術です。

下肢静脈瘤をふさぐことによって血管コブやだるさ、むくみが改善されます。レーザーもしくは高周波で焼いた患部は硬く縮み、術後数ヶ月で体組織に吸収され消えていきます。血管内焼灼術は低侵襲治療とも呼ばれ、体に負担をかけず行えるのが最大の特徴です。

当院ではレーザー治療と高周波治療の両方の血管内焼灼術を行っています。血管内焼灼術にはどちらも保険が適用されます。

 

どんな患者さんに適応されるか?

ほとんどの下肢静脈瘤患者に適応されますが、極端に逆流静脈が大きい方、皮膚に著しい蛇行がある方などは血管内での治療が難しいため、場合によっては皮膚を切開するストリッピング手術をお勧めする場合があります。

 

他の治療方法に比べてどんなメリットがあるか

下肢静脈瘤の治療の多くは皮膚を切開します。切開することで数日の入院、術後の傷みや残る傷跡など体の負担がかかります。特に女性は、目立つ傷跡を避けたいと思うでしょう。血管内焼灼術は皮膚を切開しないため、傷跡もカテーテルの針穴だけで済みます。

静脈に刺すだけなので出血も少なく、術後の痛みや腫れも他の治療法と比べて少ないのが特徴です。病院にもよりますが、当院は日帰り手術で翌日の仕事復帰も可能です。

 

手術の流れは?

手術を受ける際の主な流れを紹介します。

 

・手術当日
手術室に入る前、超音波検査で手術部位の確認をします。

 

・手術室
ベッドに横になり、名前や手術する足の確認など問診が行われます。問診を終えると点滴の準備、心電図と血圧モニターを装着します。

 

・手術開始
消毒のあとで眠くなる鎮静剤を注射し、局所麻酔を行って手術が開始されます。当院の手術時間の目安は片足20分、両足40分程度で、気持ちよく眠っている間に手術は終了します。手術時間は症状や病院によって異なります。

 

・手術後
手術直後から歩行し、病室で30分から1時間休んだあと帰宅します。

 

・帰宅後
翌日からシャワー可能で、翌々日から入浴可能です。1週間以内に超音波検査を行って、傷の状態を確認します。

投稿者: おだクリニック日帰り手術外科

2017.09.01更新

みなさん、こんにちは。
今回は下肢静脈瘤の保存的療法で使用する医療用の弾性ストッキングについて紹介したいと思います。一般的に市販されているストッキングとは全く異なるものですので、その違いをご説明します。

 

医療用の弾性ストッキングとは?

医療用ストッキングの目的は、足に適度な圧力を加えて余分な血液が足に滞留することを予防し、足の深部にある静脈への血液の流れを助けるためのものです。
主な構造としては、足首の圧力が一番きつくなっていて、太ももへ近づくにつれて圧力が弱い設計になっています。これを「段階的圧迫法」と呼び、血液を足に滞留させず心臓へ戻すための工夫です。
弾性ストッキングでの治療はあくまでも足の腫れを予防するものであり、根本的な治療ではありません。

 

市販のストッキングとの違い

圧迫する圧力、かかと、サイズ、形に違いがあります。

 

・圧迫する圧力
一般的には医療用は20〜30mmHg以上が推奨されています。
市販されているストッキングのほとんどは15mmHg以下になっています。
※mmHg(水銀柱ミリメートル)は圧力の単位です

 

・かかと部分
かかとがあり、足首の位置を合わせられるので、適切な圧力を得ることができます。
市販のストンキングにはかかとがないものがほとんどです。

 

・サイズ
足首のサイズが特に重要ですので、足首を優先して計測します。

 

・形
医師が患者様の足の状態に合わせて形を選択します。

 

使い方のポイント

まずご自分で判断せずにクリニックに相談し、使用の有無や使用するストッキングの種類を選択するようにしましょう。
弾性ストッキングは日々履き続けることが大切です。慣れないストッキングを履くことで皮膚が弱い方などはかぶれることがありますので、普段使用しているストッキングの上から弾性ストッキングを履くことでも問題なく効果を得ることができます。
しかしながら、圧迫が強すぎて足のしびれや痛みを感じるようでしたら、血行障害が起きている可能性がありますので、クリニックに相談してください。
弾性ストッキングの圧力は、使い続けることで徐々に弱くなっていきます。
定期的に新しいものに替えて頂くことをおすすめします。

 

購入に保険は使えるか?

リンパ浮腫という疾患の治療で弾性ストッキングを購入する場合は保険が適用されることがあります。しかしながら、下肢静脈瘤の治療では現在のところ保険は適用されていません。

投稿者: おだクリニック日帰り手術外科

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