2017.07.26更新

手掌多汗症の治療は胸腔鏡下胸部交感神経遮断術という手術で行いますが、そもそも交感神経とは何なのか、また相対するものに副交感神経というものがありますが、交感神経と副交感神経の役割や違いは何なのかをご紹介したいと思います。

 

自律神経とは?

まず交感神経も副交感神経も自律神経と呼ばれる神経です。
自律神経とは、呼吸器、消化器、循環器などの活動を調整するために、24時間365日休みなく働き続けている神経です。
この自律神経が乱れると自律神経失調症、神経性胃炎、過呼吸症候群などを引き起こすことが知られています。この自律神経を構成しているのが、交感神経と副交感神経の2つになります。この2つがシーソーのように交互に働き健康を維持しています。

 

交感神経とは?

交感神経とは、昼間に人が活動している時に働く神経です。緊張している時やストレスを感じている時は交感神経が働きます。生活していて周りの状況に応じて素早く対応できるのは、交感神経のおかげですし、人前で何かを発表する時など緊張する場面でも交感神経が高まります。

 

副交感神経とは?

副交感神経は交感神経とは逆に、休息している時やリラックスしている時、眠っている時などに働く神経です。体の疲れを回復させるのは副交感神経が重要な役割を果たしていて、副交感神経が高まると血管が広がり、栄養や酸素が全身に行き渡ルノで体の回復が行われます。
働く時間が長く副交感神経の出番が少ないと、体が十分に回復できず、体が重い、眠い、肩こり、めまいなど体の不調が現れるようになります。

 

汗と自律神経の関係

自律神経は発汗とも関係があります。特に交感神経が強く働いている時は汗の量や濃さが強くなります。
また、交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまい体に不調が出る状態を自律神経失調症と言いますが、この場合も発汗がしやすくなり、量が多くなります。

 

手掌多汗症の手術は低位交感神経遮断

手掌多汗症の汗を止める(軽減させる)ための手術では、胸部の交感神経を遮断する手術を行います。
代償性発汗という副作用を軽減させるために、当院では低位の胸部交感神経(第4交感神経)を遮断します。
詳しくは以下をご覧ください。
胸や背中から多量の汗が出るのは代償性発汗?対策は?

投稿者: おだクリニック日帰り手術外科

2017.07.21更新

今回は汗がでる基本的な仕組みについて書いてみたいと思います。
汗は皮膚にある汗腺から発生するということは知っている方は多いと思いますが、汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺という2種類があります。
この2つの汗腺について紹介します。

 

 

エクリン腺とは?

エクリン腺は人間のほぼ全身の体表面に存在している汗腺です。人がかく汗の大半はこのエクリン腺から発生しているものです。エクリン腺からの汗の特徴は、成分の90%以上が水分でサラサラしていてほぼ無臭です。
手掌多汗症で発生する汗は、このエクリン腺から発生するものです。

 

エクリン腺から汗が発生する理由は大別すると3種類あります。

 

<温熱性発汗>
運動などをしたり、気温の影響により体の体温が上がった時に、体温を調節する目的ででる汗です。

<精神性発汗>
大勢の人の前で話をしたり、テスト前に緊張したりするなど精神的に緊張したときに交感神経が活発になり汗が出ます。いわゆる冷や汗といったものもこの発汗に該当します。

<味覚性発汗>
唐辛子など辛い食べ物を食べた時に発汗神経が刺激を受けて出る汗です。

 

 

アポクリン腺とは?

アポクリン腺は全身にある汗腺ではなく、脇の下など体の一部のみに存在する汗腺です。
特徴としては、成分が水分70%〜80%と少なめで、その他に、タンパク質、脂肪、尿素、アンモニアなどが混ざっているため、ネバネバしていて臭いがあります。
多汗症の悩みで多いワキガの汗はこのアポクリン腺が関係しています。

 

 

汗と臭いについて

エクリン腺もアポクリン腺も汗が汗腺の中にある状態の時には無臭です。
エクリン腺はほとんどが水分ですが、皮膚の表面に出てきた際に皮脂やフケなどの汚れと混じり合うと、そこに細菌が増殖します。この細菌は「皮膚常在菌」という皮膚に住む菌です。この菌により臭いが発生することになります。
アポクリン腺も同様に皮膚常在菌が繁殖することが臭いの原因になります。
しかしながら、アポクリン腺はもともと臭いを発する汗なので、より強い臭いを発生しワキガなどの病気として扱われます。

 

投稿者: おだクリニック日帰り手術外科

2017.07.06更新

今回は多汗症手術後の代償性発汗についてお話しします。

多汗症とは交感神経が過剰に作用することにより、手、わき、足裏から過剰な汗がでる病気です。字を書くと紙が濡れる、他人と手をつなげないなど、精神的な苦痛は幼少時から続きます。これらの患者様に交感神経と汗腺のつながりを断ち切る交感神経遮断術という手術を行うことで、手のひらからの過剰な発汗は消失し、大変に喜んでいただけます。しかしながら、副作用と言える症状があります。それが代償性発汗です。現代の医学では代償性発汗を確実にゼロにすることはできないと言われています。
ではどういった副作用なのでしょうか?

 

背中や胸などの発汗量が増加します。

多汗症の手術に伴う代償性発汗は、背中、胸、ふとももなど体幹部の汗が増加する現象です。これは、手のひらから出なくなった汗の量が、代わりに背中や胸から出るようになるというものではありません。すなわち手汗の量と代償性発汗の量には相関関係はありません。
交感神経遮断術を行うと、フィードバック作用により脳の体温調整中枢を介して体幹部からの発汗が促進されるため、夏の暑い時や運動時などに背中や胸からこれまで以上に汗が出るようなります。代償性発汗の部位や発汗量には個人差があります。そのため女性のブラウスやズボンがびっしょり濡れてしまうような過剰な代償性発汗で手術を後悔することさえあります。

 

交感神経遮断の部位に影響する。

代償性発汗の程度は交感神経遮断の部位に左右されます。
顔や頭の発汗を止めるために高位の第2交感神経を遮断するとほぼ100%の確率で大量の汗が胸や背中から出ることになり、これまでの報告では約10%の割合で手術を後悔していました。したがって現在ではほとんどの医療機関で第2交感神経を遮断する手術は行われていません。第3交感神経遮断でも約5%の割合で手術を後悔する結果となり、当院では原則として第3交感神経を遮断する手術も行っておりません。
当院で行なっている手術は、代償性発汗をできるだけ少なくするように、手汗が止まるできるだけ低い位置、低位の第4交感神経を遮断する方法です。

 

過剰な代償性発汗を実感されているのは約2%の患者様

当院ではこれまでに4000例以上の手掌多汗症患者様に低位の第4交感神経遮断手術を日帰り手術で行っています。代償性発汗を最小限するように努め、約98%の患者様は長年悩んでいた手汗が改善され、生活の質も向上し、手術を受けて良かったと大変に満足されています。しかしながら第4交感神経遮断でも多かれ少なかれ代償性発汗は必ず出現します。残念ながら約2%の患者様は、想像していた以上に胸や背中からの汗が増えたと感じられています。

まずは代償性発汗について十分に説明を行いますので、それを踏まえて手術を行うかどうかは患者様ご自身で慎重に検討していただきたいと思います。

 

ご不明な点はご遠慮なく当院にご相談ください。

投稿者: おだクリニック日帰り手術外科

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