2016.10.25更新

鼠径ヘルニア(脱腸)は、足の付け根から恥骨にかけての鼠径部(そけいぶ)の筋膜が破れ、腸などの内臓の一部が皮下に飛び出す病気をいいます。
この鼠径ヘルニアは成人だけではなく、小児もなる病気です。
小児の鼠径ヘルニアとはどのような病気で、どういった検査方法で見つかるのかについて説明したいと思います。

 

 

小児の鼠径ヘルニアの症状

オムツの交換などをしているタイミングなどで、赤ちゃんが泣いてお腹に力が入ると、足の付け根が膨らんでくることで鼠径ヘルニアに気づくことがあります。
最初の頃は膨らんでいる箇所を手で上手く押し込むことで飛び出ている内臓を戻すことができます。

しかしながら、その状態が長く続くとだんだん鼠径部が硬くなり、内臓が戻らなくなってきます(嵌頓=かんとん)。
こうなってくると飛び出た腸などの内臓の血流が悪くなり腹膜炎などを併発することもあるため、早期の治療が必要になります。

 

 

小児の鼠径ヘルニアの原因

成人の鼠径ヘルニアは生活習慣などが関わってきますが、小児の鼠径ヘルニアは先天性のものになります
男の子の場合は、出産の少し前、睾丸が陰嚢内に下降してきます。
その時に腹膜も一緒に引っ張られ下降し袋状になります。
通常の場合は、その後腹膜は自然に閉じるのですが、それがうまく閉じなかった場合に、そこに腸などの臓器が入ることで鼠径ヘルニアが発症します。
女の子の場合は、卵巣が飛び出てしまうこともあります。

 

 

小児の鼠径ヘルニアになる年齢は?

鼠径ヘルニアが発症する年齢というものはありません。
小児の場合は先に述べたように先天性のものになりますので、出生した時点で鼠径ヘルニアになる可能性を持っているということになります。
乳児健診で診断されることもあります。
2歳以下の場合はヘルニアの穴が自然に閉じて治ることもあります。
したがって治療に関しては、当院では2歳以上の場合には自然治癒の可能性が低いため手術で完治させることをおすすめしています。

 

 

小児の鼠径ヘルニアの検査方法

検査は院長による視診、触診、超音波検査になります。

 

 

鼠径ヘルニアは遺伝に関係があるか

小児の鼠径ヘルニアが遺伝と関係があるという明確な根拠はありませんが、一般的には親子で体質が似るために、鼠径ヘルニアの家族歴を認めることが多くあります。

 

投稿者: おだクリニック日帰り手術外科

2016.10.24更新

当院では、鼠径ヘルニアの手術には「クーゲル法」という術式を用います。

それはメッシュを使用して筋膜の穴を塞ぐ手術方法ですが、メッシュの種類や、どのような素材でできているのか、また体内にメッシュを入れてアレルギーや慢性的な痛みが発生する心配はないのかなどのご質問をいただきますので、鼠径ヘルニア手術時に使用するメッシュについて紹介したいと思います。

 

 

メッシュを用いる手術方法は大きく2つあります


メッシュを用いる手術方法は2つに大別されます。

違いはメッシュを使用する場所の違いです。

 

・従来のメッシュ手術
筋膜の穴の上からメッシュで覆う方法です。
メッシュがめくれないように、筋膜とメッシュをしっかり縫い合わせる必要があるため、手術後のつっぱり感や違和感を伴うことがしばしばあります。

 

・クーゲル法
筋膜の穴の下にメッシュを広げて補強する方法です。
お腹に圧力がかかってもメッシュがめくれることがなく、従来の方法よりも再発率が低くなります。また、手術時の傷が小さくすみ、手術後の痛みも少ないといわれています。

従来のメッシュ手術クーゲル法

 

 

メッシュの種類や素材は?

鼠径ヘルニアの手術にメッシュが使われるようになった歴史は古く、1960年代ごろから使用されていました。

使用するメッシュには、主にポリプロピレンポリエチレンという素材が使用されています。

ポリプロピレンは、強度が強い、吸湿性がない、酸やアルカリなどの薬品への耐性が強いという特徴を持ち、おむつや医療用の衣料、エアーフィルター、注射器などでも使用されている素材です。
このポリプロピレンメッシュを体内に入れることによる感染や拒絶反応については、アメリカの文献では、3,019例を治療したうち、感染件数は1件、拒絶反応は0件という報告もあり、非常に高い安全性が確認されているため、多くの医療機関で使用されている素材です。

また、アレルギー誘発性、発ガン性もないとされています。

 

このように安全性が確認されているからこそ、体内に入れることができます。
鼠径ヘルニアの傷が治っていく過程で、メッシュの網目に身体の組織が入り込み、強固な筋膜が作られ再発防止になっていくということです。

 

当院で行っているクーゲル法で使用するメッシュは下図で示す形状記憶型のメッシュです。

小さなキズから体内に挿入し、体内で形状記憶どおりにパッと広がり、ヘルニアの穴をふさぐことができます。

メッシュ メッシュ 

 

 

 

投稿者: おだクリニック日帰り手術外科

2016.10.05更新

今回は鼠径ヘルニアと運動についての記事を掲載したいと思います。
鼠径ヘルニアになってしまった場合、きちんと治すには手術が必要ですが、手術後に運動・スポーツはできるのかどうかについて。また、鼠径ヘルニアを予防するために筋力トレーニングが有効かという点についても質問をいただくことがありますので掲載したいと思います。

 

鼠径ヘルニアとは

「鼠径(そけい)」部とは、太もももしくは、足のつけねの部分のことをいい、「ヘルニア」とは臓器や組織が本来あるべき場所から逸脱した状態のことを指します。
よって「鼠径ヘルニア」とは、足の付け根から恥骨にかけての鼠径(そけい)部の筋膜が破れ、腸などの臓器や組織の一部が皮下に飛び出す病気をいいます。
鼠径ヘルニアは脱腸とも呼ばれています。

 

鼠径ヘルニアになりやすい職業の傾向

鼠径ヘルニアは、鼠径部の筋膜が破れることで起きる病気ですので、老化などにより鼠径部の筋膜が弱くなると起こりやすくなるといえます。
また、日常的に腹圧がかかるような活動・運動をされている人は鼠径ヘルニアになりやすいと考えています。
職業でいうと次のような職業の方は鼠径ヘルニアに注意が必要かもしれません。

 

・引っ越し作業や荷物の配達、工場での仕事など重たい物を持ち上げて運ぶ機会の多い方
・営業での外回りやスーパーのレジなどの接客業で立っている時間が多い方
・その他、吹奏楽器の演奏者など腹圧をかけることが多い方

 

鼠径ヘルニアとスポーツ

近年では、スポーツ選手も鼠径ヘルニアになりやすいといわれています。
特にサッカー選手など、鼠径部に力がかかるスポーツ選手は鼠径ヘルニアになりやすいといえるかもしれません。
また、スポーツヘルニア(鼠径部痛症候群)という病気もあり、これは運動時にのみ鼠径部に痛みがあり、休むと痛みがなくなり、腫れなどの見た目の変化もない状態のことをいいます。

 

鼠径ヘルニアは筋力トレーニングや運動で予防できる?

鼠径ヘルニアは鼠径部の筋肉・筋膜が弱くなることで起きることを考えると、鼠径部の筋力トレーニングに励むことで鼠径ヘルニアを予防できるのではないかと考える方がいらっしゃいます。しかしながら、過度の筋トレは逆に腹圧をかけることにつながるため賢明とはいえません。

過度な筋力トレーニングを行うよりも、ウォーキングやジョギングなどの運動不足を解消する程度の適度な運動を心がけましょう。また、肥満や喫煙なども原因の一つと考えられていますので、生活習慣を見直すことに取り組むことが宜しいかと思います。

 

鼠径ヘルニアの手術後の運動・スポーツについて

鼠径ヘルニアになってしまった場合は、放置するとヘルニアの穴が大きなってしまうため、根本的に治す手術を行うことになります。
手術後は翌日から日常生活に支障はありませんが,激しい運動は控えていただく必要があります。ウォーキングやサイクリングなどの軽度な運動は手術後2週間程度たってから、球技などのスポーツは手術後3週間程度たってからされるようご案内しています。

投稿者: おだクリニック日帰り手術外科

  • まずはご相談を
  • 日帰り手術とはどんなもの?
  • 日帰り手術の流れについて
  • 日帰り手術のよくある質問
  • アクセス情報
  • 診療カレンダー
  • 手掌多汗症 日帰り手術専門サイト
  • 下肢静脈瘤 日帰り手術専門サイト
  • 院長ブログ