2017.11.30更新

鼠経ヘルニアといえば男性特有の病気に思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、女性にも生じる病気のひとつです。女性の鼠経ヘルニアは男性と比較すれば8:1程度と少ない数値ですが、年々増加傾向にあると言われています。
誰にでも起こりうる鼠経ヘルニアですので、どういった病気なのか把握しておかれると宜しいかと思います。

 

女性の鼠径ヘルニアの特徴

鼠経ヘルニアが生じる部分は、鼠経と呼ばれる足の付け根にあたります。男性では睾丸につながる血管や精管の通り道となる部分ですが、女性では子宮を支えるための強い靭帯が通過している部分にあたります。腸をはじめとした内臓は腹膜と呼ばれる筋膜に覆われて保護されていますが、いくつかの原因によって弱くなった筋膜の隙間から腸などの内臓の一部が皮下に脱出した状態を鼠経ヘルニアといいます。
この鼠経ヘルニアにも脱腸部分に沿って3つに分類されており、外鼠経ヘルニア、内鼠経ヘルニア、大腿ヘルニアとなります。多くの女性に見られるのが、このうちの外鼠径ヘルニアと大腿ヘルニアといわれます。
男性は60歳以降と高齢層に多く発症するのに対し、女性では20~50歳代と広い年代に見られるのが特徴です。

 

鼠径ヘルニアと生理との関係

女性の鼠経ヘルニアでは、生理周期によって症状が変化するものがあります。
ヘルニアの部分が膨隆しますが、これは通常腹膜の中に流れている腹水がたまって起きるものや、腸そのものが脱出することで生じます。女性では生理中にこの膨らみが大きくなったり、痛みや圧迫感などを感じる方がいらっしゃいますが、子宮内膜症と関連するケースがあります。子宮内膜症とは、子宮内膜以外の場所に、内膜の組織が発生し増殖していくものです。生理のたびに大きくなったり痛みを伴なうといわれます。ヘルニアの膨らみがホルモンの変化に合わせて大きく変わる場合は、この子宮内膜症がヘルニアの膨らみに入り込んでいるためといったことが少なくありません。

 

年齢での症状や病状の違いは?

20歳代から40歳代までの若年女性の鼠経ヘルニアは、外鼠径ヘルニアのケースが多いです。鼠経ヘルニアには嵌頓(カントン)症状といって、皮膚表面に膨らみが生じ、元の位置にそれを押し込もうとしても戻らない現象があります。この嵌頓症状は見られず、痛みを伴なう方が多く、また生理周期によって痛みやふくらみの大きさが変化する症状が出ることもあります。
50歳代以降の中高年女性の鼠経ヘルニアでは、外鼠径ヘルニアのほかに大腿ヘルニアが多く見られるようになります。これは下肢に向かう動脈や静脈が走行する筋膜の隙間からから脱出するもので、腸がはまりこんで元に戻らずに嵌頓症状を伴うことがあります。
嵌頓症状によって、激しい疼痛を伴い、脱出する膨らみも大きい固くなることがあり、脱出した部分が壊死した場合は、緊急手術が必要となる場合があります。

投稿者: おだクリニック日帰り手術外科

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