成人そけいヘルニア

成人そけいヘルニアとは

足の付け根から恥骨にかけての鼠径(そけい)部の筋膜が破れ、腸などの内臓の一部が皮下に飛び出す病気をいいます。いわゆる脱腸で、外科の病気では虫垂炎(盲腸)とともに最も発症の頻度が高いとされています。加齢により筋膜がゆるむ中年以降に発症することが多く、9割近くは男性です。

筋肉を鍛えても自然治癒しません

放置するとヘルニアの穴も少しずつ大きくなります。腹圧により飛び出した部分がゴルフボール大からこぶし大に膨らみ、下腹部が引っ張られるような痛みを伴います。自然と引っ込んでいる場合が多いのですが、常に脱出したままの状態になる場合もあります。根治のためには、外科的に筋膜の穴をふさぐ手術が必要です。

当院の手術方法

高度な技術を要する注目の「クーゲル法」手術

当クリニックでは、米国Kugel博士が開発した、キズが小さく、痛みも再発も少ない「クーゲル法」手術を採用しています。院長は、Kugel博士から直接手術指導を受け、技術の向上に努めてきました。そけいヘルニアは院長の得意分野であり、患者様にやさしいクーゲル法への絶対的な自信こそが、開業を決めた理由の一つでもあります。
全国的にはまだ導入が少ないクーゲル法ですが、院長のこれまでの手術執刀数は2400例を超え、国内外で注目される症例数となっています。

これまでのそけいヘルニア手術
そけいヘルニアでは、破れた筋膜の穴をふさぐ手術が必要で、これまでは筋膜を縫い合わせる手術が行われていました。ですが、術後につっぱって痛かったり、弱くなっている筋膜では裂けて再発する恐れもありました。
今では人工膜のメッシュを用いてヘルニアの穴をふさぐ手術が主流となっています。このメッシュは生体に安全なポリプロピレン素材です。キズが治っていく過程でメッシュの網目に組織が入り込み、強固な筋膜がつくられます。

従来のメッシュ法
メッシュを用いる手術法は2つに大別され、筋膜の穴をメッシュで上から被う従来のメッシュ法と、筋膜の下にメッシュを広げて補強するクーゲル法があります。
 従来のメッシュ法では、お腹に力を入れるとメッシュに圧がかかって、再発する可能性が若干あります。また、メッシュがめくれないようにメッシュと筋膜をしっかり縫い合わせているため、術後のつっぱり感や痛みを伴うというデメリットも考えられます。

 

院長が得意とするクーゲル法

筋膜の下にメッシュを固定
クーゲル法では、筋膜の下に形状記憶型のメッシュを挿入し、腹圧がかかってもメッシュがめくれることはありません。メッシュが腹壁を支えているため、異物感が少ないという利点があり、従来のメッシュの欠点であったズレやたるみが少なくてすみます。

再発の危険が少ない
お腹に力を入れてもメッシュがめくれることがないため、従来法より再発が少なくなることが期待できます。
また、そけい部には解剖学的にヘルニアの穴があきやすい部位が5ヵ所ありますが、クーゲル法で用いる形状記憶のメッシュはそれらの部位すべてを一度に補強できるため、手術後に別の穴からの再発を予防できます。
※当院での再発率は0.5%以下で、最近3年間の手術症例では再発はありません。

キズが小さく痛みが少ない
皮膚切開はビキニラインに隠れるように約3~4cmだけ切開し、キズ痕はほとんど目立ちません。手術時間は15~20分程度ですみます。手術後の疼痛も少なく,手術後3時間ほどで歩いて帰宅できます。

抜糸や消毒の必要がない

当クリニックでは、内部に溶ける糸を用い、皮膚切開部は特殊な生体用瞬間接着剤で固定しますので、術後に抜糸や消毒の必要がありません。手術翌日よりシャワー浴、翌々日より入浴が可能です。

>手術費用について

健康保険の適応となり、健康保険3割負担の患者様で約5万円です。当クリニックでは、日帰り手術となりますので入院費用が節約できます。

ダイレクトクーゲル法との違い

クーゲル法は筋膜と腹膜の間を潜水艦のように潜り抜けてメッシュを挿入するため、腹壁の構造を破壊せず、神経損傷などの合併症が少ない利点があります。
一方、ダイレクトクーゲル法はクーゲル法と同様に形状記憶メッシュを筋膜の下に挿入する方法ですが、従来の手術と同じく腹壁の前方から切開するため、神経損傷などを併発する危険がクーゲル法よりも若干高くなることが危惧されます。

院長の取り組み

院長は全国から多数の若い外科医の見学を受け入れクーゲル法を指導してきました。

右の写真は全国から集まった600人以上の外科医の前で、そけいヘルニア手術について招待講演をしています。
(第14回外科フォーラム,平成19年7月29日,グランドプリンスホテル赤坂,東京にて)

 

 

Q&A

Q.そけいヘルニアとは、どんな病気ですか?
そけいヘルニア A.ももの付け根から恥骨あたり(そけい部)の腹壁筋膜が弱くなり、その裂け目から腹膜に包まれた腸や脂肪など、内臓の一部が皮膚の下に脱出してくる病気がそけいヘルニア(いわゆる脱腸)です。長時間歩いたり、腹部に力を入れると、ゴルフボール大からこぶし大に足の付け根が膨らみ、下腹部が引っ張られるような痛みがあります。胎生期から腹壁筋膜の抵抗の弱い部分があり幼児期に発症する場合と、加齢とともに筋膜がゆるみ中年以降に発症する場合があります。外科の病気では虫垂炎(いわゆる盲腸)とともに最も頻度が高いとされ、その9割近くは男性です。
Q.放置しておくとどうなるでしょうか?

A.年月とともに、徐々に膨らみが大きくなっていきます。膨らみを手で押さえたり、睡眠中には自然と引っ込んでいることが多いのですが(還納性)、腸や脂肪が癒着して、常に脱出したままの状態になる場合もあります(非還納性)。脱出した腸が、ヘルニアの出口で締め付けられて血行障害をおこすと(かんとん)、激しい痛みを生じ、腹膜炎を併発して、緊急手術で腸を切除しなければならないこともあります。しかし長期放置してもかんとんして緊急手術を行うことは10000例に1人ですから極めてまれです。

Q.どんな治療が行われるでしょうか?

A.腹壁の筋肉を鍛えても、自然に治癒することはないため、根治するためには手術が必要です。
以前は筋膜の裂け目を縫い合わせる手術(従来法)でしたが、筋膜がつっぱるため術後の痛みが強く、弱い部分が再び裂けて、再発するケースも少なからずありました。現在は、生体に安全なポリプロピレン素材の人工膜メッシュで筋膜を補強し、ヘルニアの出口をふさぐ手術が主流です。手術後の創傷治癒の過程で、メッシュの網の目に組織が入り込み、強固な筋膜を形成していきます。この手術法は筋膜の上にメッシュを固定する方法と、筋膜の下にメッシュを挿入する方法に分けられます。筋膜の上にメッシュを固定する方法は腹圧が過度にかかると、メッシュが持ち上がり、再発する危惧が少しだけあります。

一方、筋膜の下にメッシュを挿入する方法では、腹圧を筋膜の内側で均等に支えるため、力学的に優れています。さらに、そけい部には、解剖学的に筋膜の弱い部分が数ケ所に潜在するため、将来のヘルニア再発を予防するためには、そけい部全体をメッシュで補強する必要があります。メッシュを用いた手術は、日本では10数年前より数種類の手術法が行われていますが、最近、形状記憶型メッシュを用いた新しい手術法(クーゲル法)が注目されています。クーゲル法は、形状記憶で瞬時に広がるメッシュを筋膜の下に挿入する方法で、これまでの欠点であったメッシュの移動やたるみが少ない手術法です。

過去に他の方法で手術をうけた再発ヘルニアでは、ヘルニアの出口以外にも脆弱な部分があることが多く、そけい部全体をクーゲル法で確実に補強すれば、以後は再発する危険は少ないと思われます。通常のメッシュを用いた方法に比べ、クーゲル法では皮膚切開のきずも約3~4cmと小さく、当院での手術時間は15~20分程度です(手術実績)。メッシュは筋膜の下に広がるため、術後のつっぱりや異物感は少なくなります。もちろん健康保険の適応で、手術料は他のメッシュの方法と同額です。当院ではクーゲル法を日帰り手術で行っていますから、入院のわずらわしさがないだけでなく、入院費用も節約できます。体内には溶ける糸を用い、皮膚切開部に生体用瞬間接着剤を用いるため、抜糸の必要がなく、手術翌日からシャワーや入浴が可能です。

Q.子供や若い女性にもメッシュを用いるのですか?

A.からだが成長している段階ではメッシュを用いるべきではありません。乳児期や学童期のヘルニアでは、筋膜を補強する必要はなく、ゆるんだ腹膜を根元で縛る(高位結紮法)方法で、ほとんど再発しません。何歳くらいからメッシュを用いて筋膜を補強すべきかは、はっきりした基準はありませんが、私は思春期以降の成人ヘルニアに対しては、原則としてすべてクーゲル法を用いています。妊娠可能な若い女性にメッシュを用いるかは、専門家のあいだでも賛否両論がありますが、クーゲル法のように筋膜の下に平坦にメッシュが広がっている状態では、将来、妊娠しておなかが大きくなっても影響はないと考えています。

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